知識が成立するためには身体が不可欠であるという考え方。
種目は何であれ、スポーツをするときには、体の各部を通じて外部の感触や圧力などを感じるだろう。弦楽器の演奏の際には、指先で弦の感触を感じることは重要だ。また、歩くことひとつをとっても、路面とのコンタクトや重心のバランスを把握し、筋肉などの動きを調節する必要がある。
身体は外界の情報を感じとり、今度は外界に対して働きかける。楽器の演奏から、スポーツ、絵画、陶芸に至るまで、何か別の目的のためというよりも、身体性を通じた行為そのものに、愉しみを見出すこともあるだろう。
ところで、近年発展がめざましいコンピュータや人工知能は、一定の枠の中、すなわち「記号」となった情報を扱うことを中心に開発されてきた。「1」に「1」を加えれば「2」となったり、データベースから名前の一致するものを検索して表示する、といったものだ。こうした記号操作を究極まで高度化していけば、人間を超えるような人工知能が生まれるのではないか、という期待が高まっている。
77 身体性

